フェイクニュース対策法での世界最初の逮捕はマレーシアで起きた。マレーシアでパレスチナ人が殺害された際、警察が五十分もかかって到着したことが死亡の原因だとSNSに投稿し、ユーチューブにビデオを投稿したデンマーク人が逮捕された。マレーシア警察は八分で到着したと主張し、容疑者も間違いだったと認めたため、有罪となり、一カ月の懲役となった。
だが、これはマレーシアのフェイクニュース対策法の本来の目的とは違う運用だった。同法の主たるターゲットは政府批判者だ。
近年のマレーシアを語る上で欠かせないのが1MDB事件である。1MDBはマレーシアの政府系投…
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