フェイクニュースのページ一覧

私は日本でいくつかのサイバー関連企業の経営にたずさわった後、六年前にカナダのバンクーバーに引っ越した。ここにいると日常的に見聞きすることが日本とはだいぶ異なるのに驚く。北米で大きく取り上げられている事件がなぜか日本では報じられていなかったり、…
本書を手に取った方であればロシアのアメリカ大統領選への干渉についてある程度はご存じだろう。ロシアがフェイクニュースやネット世論操作などでアメリカ大統領選に干渉し、トランプ大統領誕生に導いた。日本ではフェイクニュースあるいは、せいぜい世論操作と…
調査に当たっていた特別検察官ロバート・マラーは二〇一八年二月と七月にロシアの法人や関係者を起訴した。後者ではロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)に所属する十二名を、二〇一六年にアメリカ民主党をハッキングしたとしている。二〇一六年、民主党が党…
あまり重要視されないことが多いが、ネット世論操作を仕掛けてくる外国政府がふつうに広告出稿していたのは大問題であるとともに、民主主義と資本主義の根本に関わる脆弱性と筆者は考えている。フェイスブックによれば三千の広告がロシアのネット世論操作組織I…
ここでアメリカを翻弄するロシアのネット世論操作の歴史を振り返ってみたい。ロシア政府によるネット上の言論操作の歴史は古く、二〇〇三年春、ネット上のVestnik Onlineに『The Virtual Eye of Big Brother』(二…
前述のようにフェイクニュースはネット世論操作の一環であり、ネット世論操作はハイブリッド戦における重要な兵器となっている。ハイブリッド戦については第一章で説明した。本章ではフェイクニュース、ネット世論操作について説明する。二〇一八年二月にニュー…
最近、AI(人工知能)を利用したフェイクニュースの自動判別システムが発表されている。『フェイクニュース自動判別(Automatic Detection of Fake News)』(二〇一七年八月二十三日、Verónica Pérez-Ros…
二〇一八年七月二十四日に、『世界のフェイクニュース対策ガイド(A guide to anti-misinformation actions around the world)』(Daniel Funke)がPoynter.に掲載された。世界各…
これまで紹介したネット世論操作の主戦場はSNSである。フェイクニュースはそこで発信され、配備されたボットなどによって拡散されてゆく。そのSNSは民間企業のサービスだ。当然、プラットフォームを提供しているフェイスブックやグーグルなどの影響力はネ…
フェイクニュースを含むネット世論操作は、世界のほとんどの国で国内外を対象として行われている。この状況を概観した資料としては、『真実と信頼の挑戦 組織化された世界のネット世論操作の一覧(Challenging Truth and Trust: …
前述のようにヨーロッパにおいてはフェイクニュースとネット世論操作は安全保障上の脅威として認識されており、その背景にはロシアからの脅威がある。第一章で紹介したシンクタンク大西洋評議会の『The Kremlin's Trojan Horses 2…
前出の資料によるとイタリアでは近年、ポピュリズムが台頭していることが指摘されており、いくつかの政党は親ロシアを唱え、ロシアのメディアからフェイクニュースや陰謀論を引用して拡散していた。これらは二〇一八年の総選挙を狙っての活動と考えられていた。…
日本ではあまり紹介されることがないが、フェイクニュースとネット世論操作はアジアにも広まっている。特に目立つのは、敵対する政党やメディアが発信する情報を「フェイクニュース」として批判し、処罰、追放することだ。二〇一八年一月二十二日、ロイターは『…
近年インターネット人口が急増しており(二〇〇五年八百十万人から二〇一五年五百六万人)、SNSの影響も増大している。インドネシアは世界5位のツイッター利用者、世界4位のフェイスブック利用者、マレーシアに次いでアジア太平洋圏2位のWhatsApp…
近年、シンガポール市民の間ではフェイクニュースへの懸念が広まっており、42%の市民がニュースがフェイクではないかと心配しながら読み、61%がフェイクニュースを心配している(Blackbox Research調査)。二〇一八年三月、シンガポール…
カンボジアにおけるネット世論操作は国家が主導するものとなっている。同国でネット世論操作が進んでゆくドラスティックな変化をBuzzFeed News誌が『カンボジアの民主主義は崩壊した、何百万のフェイスブックによって(This Country'…
フェイクニュース対策法での世界最初の逮捕はマレーシアで起きた。マレーシアでパレスチナ人が殺害された際、警察が五十分もかかって到着したことが死亡の原因だとSNSに投稿し、ユーチューブにビデオを投稿したデンマーク人が逮捕された。マレーシア警察は八…
ハイブリッド戦は兵器を使わない戦争と説明した。もし誰かがミャンマーを起点として周辺地域を混乱に陥れるためにフェイスブックを送り込んだのだとしたら大成功だと言えるだろう。長い軍政時代を終えて民主化したミャンマーを待っていたのはフェイスブックの悪…
台湾においては中国本土からの干渉が目立つ。軍事、経済、科学技術などあらゆる分野で中国は台湾に干渉し続けている。実際に戦闘を起こすのはリスクが高く、アメリカや日本の動きもあるが、示威行動は常に行っている。フェイクニュースを流したり、ネット世論操…
これまで見てきたように欧米および東南アジアはネット世論操作の戦場となっており、安全保障上の重要な課題となっている。EUとNATOはそのための専門の軍事組織を持ち、ヨーロッパおよびアジア各国では法律や政府組織あるいは民間団体が設置されている。あ…
日本には差別がほとんどない、と思っている日本人は意外と多い。不動産屋を始めとしてさまざまな店や場所に、「外国人お断り」に類する紙が貼ってあるのを日常的に目にしていながらそう考えるのは、差別という概念を知らないとしか思えない。『なぜ日本では差別…
日本国内にはトロールも存在しており、ネット上で求人を行っていた。『クラウドソーシングで保守系コメントの書き込み発注、1件30円 「テレビや新聞の偏向報道が許せない方」に依頼』(二〇一七年九月二十四日、BLOGOS)などいくつかのメディアで取り…
ウソがウソで終わらず国の仕組みに組み込まれてしまっている。「江戸しぐさ」と呼ばれる偽史だ。二百六十年続いた江戸時代の商人のリーダーが築き上げた行動哲学であり、人間関係を円滑する知恵を指す言葉で、現代においても有用なものとして広まった。『江戸し…
本書の執筆にあたって参照した左記の論文の不明点を執筆者に問合せし、ご教示いただきました。深くお礼を申し上げます。・Samantha Bradshaw様(Oxford Internet Institute)・Fabian Schäfer教授、博…
本書を執筆しながら何度も、「なんでこの本を書いているんだろう?」と自問していました。私は小説家であって、ジャーナリストでも評論家でもありません。余技というにはかなり労力とリスクのある仕事でした。いつも答えは同じです。「他に誰もやっていないから…
『ハイブリッド脅威への対処(Addressing Hybrid Threats)』二〇一八年五月九日、The European Centre of Excellence for Countering Hybrid Threatshttps:/…
『フェイクニュースは複雑(Fake news. It's complicated.)』二〇一七年二月十六日、First Drafthttps://firstdraftnews.org/fake-news-complicated/『自律航法 フ…
『真実と信頼の挑戦 組織化された世界のネット世論操作の一覧(Challenging Truth and Trust: A Global Inventory of Organized Social Media Manipulation)』二〇一…
『東南アジアの指導者たちは「フェイクニュース」を口実にしてメディアを統制し、批判者を処罰する(‘Fake news’ crutch used by SE Asian leaders to control media, critics char…
『TRS editor paid off almost all of 30-year mortgage in 11 months』二〇一六年三月二十九日、Mothershiphttps://mothership.sg/2016/03/trs-…
『Thailand launches ‘Media Watch’ app to combat fake news』二〇一七年十二月一日、The Drumhttps://www.thedrum.com/news/2017/12/01/thail…
『情報参謀』二〇一六年七月二十日、小口日出彦、講談社現代新書『お詫び』二〇一八年二月二十八日、日本青年会議所http://www.jaycee.or.jp/2018/topic/01topicnotice/2243『「左翼を意識し、炎上による…
フェイクニュース新しい戦略的戦争兵器一田和樹角川新書2018年11月10日 発行©Kazuki Ichida 2018本電子書籍は下記にもとづいて制作しました角川新書『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』2018年11月10日 初版発行発…
一田和樹(いちだ・かずき)東京生まれ。経営コンサルタント会社社長、IT企業の常務取締役などを歴任後、2006年に退任。09年1月より小説の執筆を始める。10年、長編サイバーセキュリティミステリ「檻の中の少女」で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミ…

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