「欠食児童」という言葉があります。
お弁当を持たないで学校へ来る子どものことです。そのような子どもたちが給食の歴史と深くかかわっています。しかし、欠食児童が国や地方行政の支援の対象とされたのは、一九五〇年代前半(昭和二〇年代後半)までです。高度成長とともに、この言葉は忘れられてしまいました。
給食のない夏休み、体重の減る子がいます。「欠食児童」は現在もなお大きな問題です。近年、格差社会が進む中で、この問題はいっそう深刻さを増しています。
二〇〇七年にベストセラーとなったお笑い芸人麒麟の田村裕さんの『ホームレス中学生』(ワニブックス)には、一日三〇〇円の食費で暮らすことになった主人公が昼食時に食…
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