「自分もバッタに食べられたい」
『孤独なバッタが群れるとき』の著者(バッタ博士)が贈る科学冒険(就職)ノンフィクション!

9章 我、サハラに死せず

思わぬ再会

 連日連夜にわたって歩き回ったせいで、疲れてしまった。大事をとって自室にこもり、データ入力に勤しむ。手元には念願の大量のデータがあり、アタタタとキーボードを叩きまくる。

 朝の8時にティジャニが焼きたてのパンを持ってやってくる。その前にシャワーを浴び、一仕事済ませておく。ティジャニが台所で、コーヒーカップをスプーンでチンチンと鳴らすのが、朝飯の準備が整ったという合図だ。ボンジュールと挨拶を交わすと、今朝のティジャニは妙に笑顔だ。

「コータロー、ライトトラップを手伝ってくれた男を覚えているか? ヤギのミルクをご馳走してくれた男だ。昨日、テレビでコータローのことを褒…

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