「自分もバッタに食べられたい」
『孤独なバッタが群れるとき』の著者(バッタ博士)が贈る科学冒険(就職)ノンフィクション!

4章 裏切りの大干ばつ

8月の雨に期待を寄せて

 サハラ砂漠では乾季と雨季がはっきりと分かれている。雨季といっても数日間だけの降雨だが、ドシャ降り具合がハンパない。地面をえぐりとる勢いで豪雨が降り注ぎ、大地は水浸しになる。粘土質の一帯では、地面がドロドロの田んぼ状態になるため、車では通行不能になり、あちこちが陸の孤島と化す。この短期集中型の強い雨は、地表の栄養分に富んだ土壌を洗い流してしまい、土地が痩せる原因の一つになっている。

 だが、一年にたった数回の雨が、眠っている大地を叩き起こす。どこにそんなに種が埋もれていたのかと驚くぐらい、大地は緑に覆われる。モーリタニアは78月が雨季で、それ以外は…

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