「緑色の男」は本当に実在するのか
テレビのブラウン管を通じて目にした「緑色の男」。この物語は自分の幼少期の記憶に焼き付いている、その男性を捜しに行く話だ。彼は本当に存在するのか、存在するとしたら記憶の通りなのか。サッカーのスタジアムから始まった「戦争」。ユーゴ紛争の終結から20年、私はその地に赴いた。

ミーシャ一さんのアルバム 家族の幸福な時代

 ミーシャさん夫妻の住んでいたアパートに向かった。

 ゆっくりと旧市街を抜ける。大通りの角を左に曲がり、次の角を右。そこを直進すると、公園の奥に団地が見える。公園には母親とその娘らしき2人だけがいた。ボールを投げて遊んでいる。

「結婚したあと、ルージャと一緒にそのアパートに住んでいたんだ。私たちは2人の子供にも恵まれた。娘のサンドラは1971年生まれ、息子のドラガンは1981年生まれだ」

 その後、ミーシャさんはレッドスター・ベオグラードの一員になるため、単身でベオグラードに移った。妻のルージャさんが回想する。

1986年に彼はベオグラードに行ってしまったの…

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