江夏の21球、天覧試合。伝説の真相に迫る!
数々のドラマに彩られた昭和のプロ野球。江夏の21球は球史に残る名勝負として称えられ、巨人の大エース沢村の名は今も褪せることがない―。だが、その舞台裏には、これまで明かされることのなかった新事実が埋もれていた。

4章 初めて明かされる「大杉のホームランの真相」

──「一〇〇%ファウルだった」七八年日本シリーズ1時間19分中断の舞台裏

「これは、いったい、どういうことなんだ」

「ボールは〝ワ〟と〝リ〟の間を通過しました。完全なファウル。ポールの左に切れましたから。これは今でも自信を持って言えます」

 阪急などで外野手として活躍した簑田浩二はきっぱりと答えた。このゲームではレフトを守っていた。

「切れたな、と思って安心して(左翼線審の)富澤(宏哉)さんの方を見ると、手をグルグル回している。これは、いったい、どういうことなんだと……」

 一九七八年十月二十二日。後楽園球場で行なわれたヤクルト対阪急の日本シリーズ第七戦は、ヤクルトが球団創設以来初の日本一に輝いたことより、皮肉にも阪急・上田利治監督の〝一時間十九分の抗議〟によって球史に残るゲームとなった。

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