江夏の21球、天覧試合。伝説の真相に迫る!
数々のドラマに彩られた昭和のプロ野球。江夏の21球は球史に残る名勝負として称えられ、巨人の大エース沢村の名は今も褪せることがない―。だが、その舞台裏には、これまで明かされることのなかった新事実が埋もれていた。

3章 天覧試合、広岡が演出した長嶋の本塁打

──八回表一死二、三塁。絶体絶命のピンチに仕掛けられたトリック

両陛下は結末を見届けられなかった!?

 プロ野球史上初の天覧試合、巨人対阪神が巨人の本拠地である東京・後楽園球場で行なわれたのは、今から五十三年前の一九五九年六月二十五日のことである。

 天覧試合といえば長嶋茂雄のレフトポール際のサヨナラホームランが今でも語り草だが、他にもONの初めてのアベックホームランあり、藤本勝巳の勝ち越し二ランあり、藤田元司の熱投あり、牛若丸・吉田義男のファインプレーあり、そして村山実の真っ向勝負ありと、試合内容は野球の魅力に満ち溢れていた。主審を務めた島秀之助が「まるで作られたドラマのような試合であった」と述懐していることでも、それは明らかだ。

 実はこの天覧試合には後日談がある。長嶋の劇的なサヨナラホームラ…

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