江夏の21球、天覧試合。伝説の真相に迫る!
数々のドラマに彩られた昭和のプロ野球。江夏の21球は球史に残る名勝負として称えられ、巨人の大エース沢村の名は今も褪せることがない―。だが、その舞台裏には、これまで明かされることのなかった新事実が埋もれていた。

11章 三連勝四連敗、近鉄加藤「巨人はロッテより弱い」発言の真相

──「発言に後悔はしていませんが……」〝猛牛〟を襲った負の連鎖

猛牛打線十二球団一の投手陣

 七十八年の歴史を誇るプロ野球の中で、日本シリーズで三連敗から四連勝を達成したのは三例しかない。一九五八年の西鉄、八六年の西武、そして八九年の巨人だ。

 八九年の大逆転劇が前の二つと趣を異にするのは、ひとりの選手の舌禍がその原因をつくったことである。

「巨人はロッテより弱い」

 三連勝直後、そう口にしたと言われるのが近鉄のピッチャー加藤哲郎だ。ちなみにロッテはこの年のパ・リーグ最下位球団。この発言が打ちひしがれていた巨人ナインの心に怒りの火を灯し、死に馬を走らせたというのが定説になっている。これは果たして事実なのか。当事者たちの証言を元に球史に残る大逆転劇を検証してみたい。

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