江夏の21球、天覧試合。伝説の真相に迫る!
数々のドラマに彩られた昭和のプロ野球。江夏の21球は球史に残る名勝負として称えられ、巨人の大エース沢村の名は今も褪せることがない―。だが、その舞台裏には、これまで明かされることのなかった新事実が埋もれていた。

まえがき

 本書は「文藝春秋」で二〇一一年六月号から一二年五月号にかけて連載したものを、新たに加筆して一冊にまとめたものである。連載を始めたきっかけは、〇九年に他界した三村敏之さん(元広島監督)の一言だった。

「……その話は墓場まで持っていこうと思うとるんですよ。その前に一回、西本(幸雄)さんに謝らんといかんでしょうが……」

 ポツリとそう漏らしたきり三村さんは口をつぐんだが、言い残したことがあるのか、何度も私の目を見ては複雑な笑みを浮かべた。

 詳しくは第1章の「江夏の21球は14球のはずだった」で述べるが、一九七九年の広島と近鉄との日本シリーズ第七戦、四対三と広島一点のリードで迎えた九回裏、無死満塁のピン…

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