アフガンは、どうタリバン政権に支配されていったか
なぜテロにはしるのか。なぜ「正義の使者」タリバンは世界の敵になったのか。アメリカ、ビンラディン、タリバン——“運命の三角関係”を読み解く、渾身の現地取材。

5章 パキスタンの事情

パキスタンがアメリカに出した二つの条件

 ソ連のアフガン侵攻は、パキスタン政府にとって、必ずしも頭の痛いことではなかった。むしろ当時のジア・ウル・ハク大統領にとっては、抱えていた行き詰まりを打開できる好機となった。

 パキスタンという国は、英領インドのうちイスラム教徒が多い地域が分離し、ヒンドゥ教徒主体のインドとは別の国として一九四七年に独立した。だが「イスラム教徒の国」というアイデンティティを前面に立てて作られたわりには、指導者の多くはイギリスで教育を受け、イスラムの価値観よりヨーロッパの価値観に親しみを持っていた。

 植民地支配から脱却するためにイスラム諸国が取り得た二つ…

この作品では本文テキストのコピー機能を制限しています

01