ニューヨークタイムズ発 自動運転事故の徹底検証
自動運転車が描く未来――しかし現実には人間が制御できない事故が多発しているという。2019年4月に起きたテスラ車「モデルS」の追突事故は死亡者を出した。テスラCEOのイーロン・マスクは「人間の介入を認めると安全性が低下する」と豪語するが、NYTは米当局の調査、事故の加害者と被害者の証言をもとに「夢の代償」を徹底検証する。

テスラ「自動運転事故」はなぜ起き続けているのか?

 2019年に米フロリダで起きた交通事故は、テスラ車の運転支援システム「オートパイロット」をめぐる安全性に一石を投じた。オートパイロットは万能ではなく、ドライバーの不注意が原因で大事故が起きかねない。

取材・執筆 ニール・E・ブーデット

フロリダでテスラ車が停車中の車に突っ込む

 20194月、フロリダ州。オートパイロット作動中のテスラ車「モデルS」が路側帯に停車中のSUV(多目的スポーツ車)に突っ込んだ。運転していたのは投資会社役員のジョージ・ブライアン・マギー(44)で、スマートフォンで通話しながら帰路を急いでいた。

 事故はドライバーの不注意で起…

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