「世界初」のデータが解き明かす、水中動物の新事実
水生動物の生態は、直接観察できないため謎が多かった。だが、今や日本発のハイテク機器を動物に直接取り付ける手法によって、教科書を書き換えるような新発見が相次いでいる。

はじめに

「体重三〇トンのクジラから、五〇〇グラムの海鳥まで、みな秒速一メートルから二メートルで海の中を泳いでいた!」

 私たちの研究グループによるこの発見は、二〇〇七年初頭に研究論文として公表された。

 一九五〇年に、「幾何学的に相似な動物は、体の大きさにかかわらず、同じ速度で走り、泳ぐであろう」と予測したのは、イギリスの筋肉生理学のヒル博士である。この予測の下に、陸上動物については研究が進み、予測と実測の一致や不一致がさまざまに論じられてきた。

 ところが水中動物についての研究の進展は、はかばかしくなかった。ヒル博士の予測から半世紀も経ってから、予測を裏付ける実証データをようやく手にすることができたのであ…

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