リスク過敏症が日本の停滞を引き起こす
その“危険”、本当ですか? 「化学物質」「発がん物質」「放射性物質」…今こそ身につけたい、リスクを見極める技術
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2章 「天然」大好き、「化学」は大嫌い……の罠(──真実はグレーの中に)

「自然の恵み」なるもの

 筆者は講演会などで、聴衆に対して真っ先にこんな質問をぶつけることがあります。

「『化学物質』というものを、我々は一日にどれくらい摂取しているかご存知でしょうか?」

 こう聞くと、たいていの場合、1gとか5gとかいった答えが返ってきます。

 いやいや……、実はもっとはるかに多いのです。

 まず、「化学物質」とはいったい、何でしょうか。

「化学物質」の定義は、『広辞苑』には「物質のうち、特に化学の研究対象となるような物質」とあります。一般に、化学物質という言葉は、何となく「体に悪い、たいの知れない人工の物質」というようなイメージで使われてしまっていますが、本来この言葉には、天然か人工か、体にいいか悪いかと…

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