なぜ、カネボウは巨額の損失を隠し続けることができたのか
粉飾には数多くの関与者がいる。なぜ粉飾は後を絶たないのか。その末路とは。カネボウ、メディア・リンクス、ライブドアなどを事例に、粉飾にいたる系譜と構図を明らかにする。
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第三章 源流

■小田商事問題

 石川県下で絶大な影響力を誇る『北國新聞』に奇妙な記事が載ったのは二〇〇五年三月十七日のことである。カネボウの繊維部門をめぐる譲渡問題が決着したことを報じるその記事は、経済面のほぼ一面すべてをつぶす特大の扱いだ。リードに続く本文は次のような書き出しで始まる。

 「小田合繊工業の小田清孝相談役=写真=は十六日、『敗軍の将は語らず』と沈黙を保った」

 その脇には、取材に沈黙を保ったはずの人物がしっかりと写真に収まっている。「敗軍の将は語らず」との名台詞はメインの見出しにもなっている。もっとも、本文を読み進めると分かるのだが、どうもこの記事は小田からの情報に多くを依拠して書かれている。

 産業再生機構は前…

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