なぜ、カネボウは巨額の損失を隠し続けることができたのか
粉飾には数多くの関与者がいる。なぜ粉飾は後を絶たないのか。その末路とは。カネボウ、メディア・リンクス、ライブドアなどを事例に、粉飾にいたる系譜と構図を明らかにする。

■撚糸工連事件

 小田商事の社長から引きずり下ろされた小田のその後の転落と復活は、カネボウ関係者が複雑な思いを抱く最大の原因である。

 撚糸業界でのし上がった小田は小田合繊工業のほか、もう一つ活動拠点を持っていた。日本撚糸工業組合連合会、通称「撚糸工連」がそれである。小田は撚糸工連の理事長を一九七四年から務めていた。組織拡大を遂げていた撚糸工連は一九八二年十一月、念願の撚糸会館を東京・八重洲に竣工する。

 祝賀パーティーの招待者名簿には、国会議員の名前がずらりと並んでいた。稲村佐近四郎、森喜朗、奥田敬和、海部俊樹、江崎真澄、小渕恵三、武藤嘉文ら、衆参合わせてその数十五人。小田商事で会長に棚上げされてから九カ月後の…

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