なぜ、カネボウは巨額の損失を隠し続けることができたのか
粉飾には数多くの関与者がいる。なぜ粉飾は後を絶たないのか。その末路とは。カネボウ、メディア・リンクス、ライブドアなどを事例に、粉飾にいたる系譜と構図を明らかにする。

■南青山オウムビル

 さきにメディア・リンクスは「消滅した」と書いたが、最後に消息を絶った場所はどこだったのか。それを知る者は意外と少ない。

 二〇〇三年の秋以降、経営が極度に混乱する中、同社は本社所在地を転々と移していった。

 大阪・堂島浜の高層ビルを離れ、そこから北に二キロほど行った豊崎の雑居ビル九階に移ったのは十二月下旬のことだ。「いくたグループ」の介入が強まった翌年二月初旬、さらにこんどは南東に三キロほど下った谷町に立つペンシルビルに移転する。そして、上場廃止決定からほどなく、東京・永田町の山王パークタワーにあった東京事務所を引き払い、大阪・谷町の本社も姿を消した。会社の発表や法人登記からは、その後の足取りを…

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