なぜ、カネボウは巨額の損失を隠し続けることができたのか
粉飾には数多くの関与者がいる。なぜ粉飾は後を絶たないのか。その末路とは。カネボウ、メディア・リンクス、ライブドアなどを事例に、粉飾にいたる系譜と構図を明らかにする。
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第五章 地下迷宮

■丸石自転車の狂気

 この国の経済の表層をはがすと、そこには複雑怪奇な相貌をしたもうひとつの有機体が横たわっている。

 事件屋、パクリ屋、地面師、詐欺師、ブローカー、暴力団、エセ同和などなど、住人には様々な呼称が与えられ、一人が複数の顔を持っていたりする。縦横無尽に張り巡らされた情報ネットワークを駆使して、彼らはいわくつきの株や手形を右から左に流し、あるいは荒唐無稽な事業をぶち上げ、時には企業に乗り込んで、経営者に甘く囁きかけたかと思うと、暴力装置を背景に恫喝したりもする。

 そうした結果、多額の資金が魑魅魍魎の世界に溶けて消えていく。

 そこは茫漠たる広がりを持った魔窟だが、オモテとウラの経済構造は文字通り表裏一体で…

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