なぜ、カネボウは巨額の損失を隠し続けることができたのか
粉飾には数多くの関与者がいる。なぜ粉飾は後を絶たないのか。その末路とは。カネボウ、メディア・リンクス、ライブドアなどを事例に、粉飾にいたる系譜と構図を明らかにする。
← 左にスクロール
シェア ツイート

第六章 破滅

■失踪

 その頃、皇居・半蔵門にほど近い一番町TGビルに、新田修士の東京事務所はあった。

 ライブドアの堀江貴文が総選挙に出馬した際、地元応援団を買って出た常石造船グループが所有するビルで、同社が長年支援を続けた元首相、宮澤喜一の個人事務所もそこに置かれている。新田が使用していたフロアにはもともとパイロット養成学校を運営するベンチャー企業が入居していたのだが、そこの青年実業家がトラブルに巻き込まれたのに乗じて入り込んだらしい。

 事務所には中年の男女数人が出入りし、新田の執務机の上には書類が山積みになっていた。

 「もう懲りたから病院の仕事はしてませんのや。手形や小切手にも触らん」

 新田は最初そう言ったもの…

この作品では本文テキストのコピー機能を無効化しています

01