なぜ、カネボウは巨額の損失を隠し続けることができたのか
粉飾には数多くの関与者がいる。なぜ粉飾は後を絶たないのか。その末路とは。カネボウ、メディア・リンクス、ライブドアなどを事例に、粉飾にいたる系譜と構図を明らかにする。
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第Ⅲ部 監査法人の死

第七章 苦悩

■未着品

 社長の新堂吉彦とともにメディア・リンクスの上場準備を二人三脚で進めてきた新日本監査法人が会計監査人の辞任届を叩き付けたのは、二〇〇三年五月三十日のことである。

 前に触れたように、新堂の公判における検察側冒頭陳述によると、新日本の関与社員である中川一之は、四月下旬にその年の監査作業を開始したところ、メディア・リンクスの売上高の多くが架空取引によるものであることを発見した。それを発端に新堂との間に鋭い対立が起き、突然の辞任となったのだった。

 実はその前年の春にも中川はメディア・リンクスの不自然な出金について指摘したことがあった。

 架空循環取引では架空商品を売った段階で入金があるものの、最終的には…

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