なぜ、カネボウは巨額の損失を隠し続けることができたのか
粉飾には数多くの関与者がいる。なぜ粉飾は後を絶たないのか。その末路とは。カネボウ、メディア・リンクス、ライブドアなどを事例に、粉飾にいたる系譜と構図を明らかにする。

■不祥事の系譜

 話を中央青山監査法人がその後置かれた状況に戻すことにしよう。

 まだカネボウ問題が持ち上がる前の二〇〇四年一月十四日、奥山の前任理事長だった上野は針のむしろに座らされていた。この日、上野は衆議院財務金融委員会で、足利銀行の元頭取である日向野善明とともに参考人として招致されていた。

 足利銀行は前年の十一月二十九日、政府の金融危機対応会議によって特別危機管理(一時国有化)の開始が決定され、実質的には経営破綻していた。破綻を大きく後押ししたのは、中央青山監査法人によるその二日前の重大な判断にあった。二〇〇三年九月中間期において繰延税金資産を全額取り崩すことが不可避だと通告したのである。六日前に金融庁…

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