日本の隠然たる権力者の実像
葛󠄀西敬之。旧国鉄改革を手がけた「国鉄民営化三人組」の異名をとった一人で、民営化後のJR東海2代目代表取締役社長から会長、名誉会長を歴任。「葛󠄀西ー官邸ライン」と呼ばれるほどの政界との太いパイプを持つばかりか、官界、財界、メディアにも大きな影響力を持つ人物だ。権力あるところに表立たず君臨する、その知られざる実像に迫る。

最終回(第11回)「最後の夢」リニア計画に垂れ込める暗雲

ドイツやアメリカはすでに撤退

 葛󠄀西敬之はリニア中央新幹線の成業をみずからの鉄道人生における終着点に位置付けているように感じる。この数年来、それほどリニアに恋着してきた。しかし前回に書いたように、リニアは旧国鉄時代に立ちあがった構想であり、葛󠄀西が初めから熱心だったわけではない。リニアはさほど魅力的な構想ではなかった。実際のところJR東海のリニア事業は、当人が経営企画本部で陣頭指揮を執り始めてから動き出している。旧運輸官僚として国鉄改革時代の葛󠄀西を知り、鉄道局次長や事務次官を歴任してきた黒野匡彦にも、そう映ったようだ。

「国の鉄道行政とい…

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