「不安」の方がニュースバリューを持つメカニズム
「安全」「安心」を追求する当たり前の気持ちが生んだ現象。そこに悪意はない。だからこそ根深い。

おわりに

 本書は、私が12年間「風評被害」について調べてきたことをまとめたものである。

 私は東京大学社会情報研究所というところに設置されていたマスメディアや情報について研究する大学院に入り、数少ない、社会科学的な災害研究をされていた、今は亡き廣井脩先生に師事した。

 大学院に入学した1999年、東海村JCO臨界事故が発生し、この事故における社会的影響の研究から研究生活をはじめることとなった。そして、JCO臨界事故を問題意識の中核として『環境報道の社会心理―原子力/有害化学物質の環境リスク認識とソーシャル・リアリティ形成過程に関する研究』という修士論文を書いた。その後もさまざまな自然災害や人為災害、風評被…

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