「不安」の方がニュースバリューを持つメカニズム
「安全」「安心」を追求する当たり前の気持ちが生んだ現象。そこに悪意はない。だからこそ根深い。

終章 風評被害にどう立ち向かうか

 本書では紙幅の都合で、風評被害の対策についてはあまり触れてこなかった。

 風評被害とは、本論で論じたように、情報過多社会、安全社会、高度流通社会における災害や原子力事故などがもたらす経済被害の一形態である。よって、これを避けることは根本的に困難であるという前提で対策を進める必要がある。

 長期的な対策としては、風評被害は避けられないものとして、補償のあり方を社会として整えておくことが必要である。過去に起きた風評被害の場合、そのほとんどで被害者が補償を受けるまでに相当の時間がかかっている。そのため、個人の農家や中小企業の経営者にとっては重い負担となってきた。JCO臨界事故では、補償交渉で合意に至ら…

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