裁判官は国を負かすと左遷される――これは本当?
原発関連訴訟をはじめ、国の責任を認める判決を出した裁判官のその後が気になる。「国敗訴」にした裁判官は左遷される説が噂されているからだ。そこで、膨大な判決資料と格闘し、大学教授の協力も得て調査を進めてみた。調べるほどに、謎が出てきた。
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4回「出る杭」として処分を受けた人

 国家賠償請求や公共事業の差し止め請求などで国に不利な判決を出した裁判官は、その後の人事で不利な扱いを受けるのではないか――。そんな“都市伝説”を検証するため、フロントラインプレスは記者2人の取材チームをつくって、膨大な数の判決を読み込み、複雑に入り組んだ人事異動との関係を調べてきた。見えてきたのは、退官直前に“去り際の一発”と言えるような判決を出す裁判官が、実際に存在することだった。一方で、判決と人事の相関関係は、そう簡単には証明できないこともわかった。

 それでも、取材に応じてくれた元裁判官の言葉を頼りに異動経歴を洗っていくと、「明らかな左遷」と断言できそうな実例も浮かび上がった。本連載の第

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