聖のこと
村山伸一
私と大崎さんとの出会いは、聖が亡くなった3ヵ月後の暖冬の12月でした。
「将棋世界」(将棋連盟発行の専門誌)に聖に関することを記事にする為、田名後さんと拙宅にお見えになられました。そのとき同席したのは聖の母と、兄、姉の4人でした。
幼い頃からの写真や聖が残した日誌、書籍、コミック、CD等を見ながら私たちの話をテープに録音し、メモをされました。
聖の生い立ちを順序だてることなく、各自が記憶を探りながら聖が残したものを通して、彼が精一杯生きた過程について約八時間、夜遅くまでのインタビューでした。
終始一貫私たちの話をじっくりとかみ締めるように聞かれ、殆ど聞きただされることは…