エピローグ
森が広島についたときには村山はすでに葬儀場に運ばれていた。
村山の遺体の前で森は泣き崩れた。こらえてもこらえても嗚咽が体を揺すりつけどうすることもできない。何度も顔にかけられた白い布を取ろうとするのだが体が震えてそれもできない。
「村山君……」
「村山君……」
泣きじゃくりながらその言葉ばかりを繰りかえしていた。引き裂くような悲しみが森の体を貫いていた。
村山のためならできることは何でもしてやった。自転車の荷台も押してやった、パンツも洗ってやった、髪も洗ってやった、夜中にコンビニを駆けめぐり、街中の本屋を訪ね歩いた。
「もうわしがしてやれるこ…