「丸島さんが日本の特許の歴史を開いたんだよ」
特許で守り、特許で攻める。キヤノンの卓抜した技術力の背景には絶妙な特許戦略があった。キヤノン入社以降、特許一筋の人生を歩んだ丸島氏が語る。

*本当に重要な特許は出さない

 ──先程からのクロスライセンスのお話ですと、お互い同様の技術を持つわけですから、その二社からは同じ製品が作られることになりますね。

 丸島 そういうことになります。もちろんそれは望ましくないことなので、包括的といってもある重要な技術、あるいは自社製品を特徴づけている技術は除外する、その上で相手の技術でこちらが使いたいものは含めてもらう、そういうやり方がとれれば一番よいわけです。そうであればお互いに包括的にクロスライセンスしているけれど、こちらの事業的な優位性は確保できることになります。

 この辺りが駆け引き、交渉になるわけですが、知的財産上こちらが強ければそういうことも可能なのです。ご指摘のよう…

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