「丸島さんが日本の特許の歴史を開いたんだよ」
特許で守り、特許で攻める。キヤノンの卓抜した技術力の背景には絶妙な特許戦略があった。キヤノン入社以降、特許一筋の人生を歩んだ丸島氏が語る。

第二章 戦略的特許ビジネスとは

NPシステムの展開

*世界初の液乾式PPC

 その後のキヤノンの複写機事業をここでフォローしておきたい。記述の多くは、『キヤノン史──技術と製品の50年』によった。

 一九七〇(昭和四五)年九月に発売された普通紙複写機NP1100は、それまでゼロックスが独占していた普通紙コピー(PPC)市場にNPシステムというまったく新しい潜像形成法で道をひらいた点で、国産初というにとどまらない意味をもつものであった。

 しかし一九七二年に発売されたNPL7は、普通紙に液体現像を利用するという、これも世界初の技術で、低コスト高画質を実現した製品だった。キヤノンはこの製品で複写機部門の基盤を確立し、輸出することによって世界に低コスト高画質複写機という新しい市…

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