戦時下と変わらない「空気を読め」のシステム
エロ・グロ・ナンセンス〜日中戦争・太平洋戦争期までの資料を丹念に追い、一言では言い尽くせない検閲の世界に迫る。
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第四章 聴く検閲、観る検閲(脚本、映画、放送、レコード)

東京検閲と大阪検閲?

大阪検閲というのが乱暴な検閲でしたね。検閲というのは各県がもってましたから、田舎に行きますと、山本有三の『嬰児殺し』だと思いますが、巡査の子どもが出ましょう。あのころは東京の検閲をパスすると、田舎でもだいたい通してくれる。

 ところが、大阪ではいろいろカットされるから、大阪でやるのを、先に東京で検閲を受けていきましたよ。その『嬰児殺し』に、駐在所の部屋でごはんを食べるシーンがあるのだそうですが、まずいおかずでめしを食ってるところがある。芝居を駐在所から見に来た。そして、なんだ、鯛の塩焼きぐらいこの場面に出せ、巡査だってそんな貧乏してないのだぞ、と怒った。まあその類いのことはあったようですね」

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