毎年100兆円、GDPの2割を占める「社会保障」の全体像を知る
制度の成り立ちから、我が国の問題点、改革の方向まで、「ミスター年金」と言われた元大物官僚が解説する格好の入門書。

6章【国家財政の危機】次世代にツケをまわし続けることの限界

 この節では、社会保障と国家財政の関係について考えます。

 その前に、そもそもの大前提として、この国の財政が一体どういう状況にあるのか。その実態についての認識を共有しておく必要があります。

(1) 巨額の財政赤字──世界最大の債務大国

 皆さんご承知のこととは思いますが、我が国の財政は巨額の赤字を背負っています。債務残高(国と地方の長期債務残高)は1100兆円を超え、GDP200%を超えています。図表61を見てください。数年前にEUで大問題になったギリシャや財政破綻寸前と言われるイタリアなど、どの先進国よりも大きな負債を抱えているのが日本です。歴史的に見ても、これほどの負債を負っていた時期は、第4章でお話ししたように、第二次大戦敗戦直後の

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