毎年100兆円、GDPの2割を占める「社会保障」の全体像を知る
制度の成り立ちから、我が国の問題点、改革の方向まで、「ミスター年金」と言われた元大物官僚が解説する格好の入門書。

3章【日本の社会保障】戦後日本で実現した「皆保険」という奇跡

(1) 日本の社会保障の特徴

 この章では、日本の社会保障の発展の歴史を振り返ります。その前提として、最初に我が国の社会保障制度の特徴を教科書的に簡単に整理しておきます。

 第一の特徴は、国民皆保険、皆年金体制であることです。これは世界に類例のあまりない体制であると言えます。そして、社会保障給付の大宗を占める年金、医療、介護は社会保険方式、つまり、保険料を支払った人に給付を行う方式で運営されています。年金制度は高齢期の生活の基本的部分を支える年金を保障し、医療保険制度では「誰でも、いつでも、どこでも」保険証一枚で受けられる医療を保障しています。また、介護保険制度は、加齢に伴い要介護状態になっても自立した生活を送ることができる…

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