毎年100兆円、GDPの2割を占める「社会保障」の全体像を知る
制度の成り立ちから、我が国の問題点、改革の方向まで、「ミスター年金」と言われた元大物官僚が解説する格好の入門書。

第Ⅱ部
マクロから見た社会保障~社会保障と日本社会・経済・財政

4章【変調する社会・経済】人口減少、少子化、高齢化で「安心」が揺らぎ始めた

(1) 人口減少、少子化、高齢化の衝撃

 前章で見てきたとおり、社会保障は経済や財政と密接不可分の関係にあります。そのため、社会保障の制度改革について考えたり、議論したりする場合は、前提として、日本という社会の実態を正しく把握し、事実認識と問題意識を共有しなければなりません。

 まず、知っておかなければならない事実は、改めて言うまでもなく日本が人口減少のステージに入っていることです。

■人口ボーナス時代の終わり

 高度成長期の日本のように、人口が増大している社会というのは、いわば、おまけがたくさんある社会です。「人口ボーナス」と言いますが、人口が増えると当然ながらマーケットも大きくなります。需要も増えるから生産も増やせる。なので、GDPも増える。何もしなくても需要…

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