毎年100兆円、GDPの2割を占める「社会保障」の全体像を知る
制度の成り立ちから、我が国の問題点、改革の方向まで、「ミスター年金」と言われた元大物官僚が解説する格好の入門書。

2】サービス保障──医療、福祉、介護

(1) 改革のポイントと方向

──実体ニーズの増大を踏まえた提供体制の効率化

■高齢者層の高齢化

 第部で見てきたとおり、日本は世界でもっとも高齢化が進んだ社会です。人口の25を超え3065歳以上になろうという国は、日本の他にどこにもありません。

 高齢化に対応して、医療、福祉、介護のサービス保障のあり方にも改革が必要です。年金と、医療・介護の決定的な違いは、後者の方がより大きく高齢化の影響を受けることです。65歳以上の高齢者が2倍になると、年金総額は2倍になります。高齢者の中の年齢構成は総額に影響しません。75歳を過ぎると年金額が増える、なんてことはないからです。

 しかし、医療や介護は事情が違います。高齢者の総数が同じでも、高齢者の中での高齢化が進めば、人数増以上に給付は大きくなり…

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