第Ⅱ部で見てきたとおり、日本は世界でもっとも高齢化が進んだ社会です。人口の25%を超え30%が65歳以上になろうという国は、日本の他にどこにもありません。
高齢化に対応して、医療、福祉、介護のサービス保障のあり方にも改革が必要です。年金と、医療・介護の決定的な違いは、後者の方がより大きく高齢化の影響を受けることです。65歳以上の高齢者が2倍になると、年金総額は2倍になります。高齢者の中の年齢構成は総額に影響しません。75歳を過ぎると年金額が増える、なんてことはないからです。
しかし、医療や介護は事情が違います。高齢者の総数が同じでも、高齢者の中での高齢化が進めば、人数増以上に給付は大きくなり…
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