毎年100兆円、GDPの2割を占める「社会保障」の全体像を知る
制度の成り立ちから、我が国の問題点、改革の方向まで、「ミスター年金」と言われた元大物官僚が解説する格好の入門書。

2章【基本哲学を知る】「共助」や「セーフティネット」が社会を発展させた

(1) 社会保障制度の教科書的理解

 この章では、社会保障の制度を支える基本的な哲学について解説を試みます。その前提として、まず社会保障制度について教科書的に説明しておきます。

 日本の社会保障制度は、国民の「安心」や生活の「安定」を支えるセーフティネットであると定義されています。具体的には、社会保険、社会福祉、公的扶助、保健医療・公衆衛生の四本柱で構成され、人々の生活を生涯にわたって支えるものとされています。

 社会保険は、「病気やけが、出産、死亡、老齢、障害、失業など生活の困難をもたらすいろいろな事故(保険事故)に遭遇した場合に一定の給付を行い、その生活の安定を図ることを目的とした強制加入の保険制度」で、ご存知のとおり、医療、介…

この作品では本文テキストのコピー機能を制限しています

01