この国と国民のために社会保障ができることの三つめは、社会保障が自らを変革・改革することです。社会が変わったのですから、社会保障も変わらないと持続できない、ということです。
もちろん、社会の構造が変化しても、民生の安定や社会の発展を支える社会保障の基本的な機能・役割は変わりません。しかし、やり方は変わらないといけない。社会保障は聖域でもないし不磨の大典でもありません。それこそ変わらないためには変わらなければならないのです。
第Ⅰ部でもお話ししたように、太古の昔から救貧の機能はありました。飢饉で食べ物を配るとか、江戸時代の小石川養生所は救貧のシステムでした。そこから出発して、救貧から防貧に重点を…
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