毎年100兆円、GDPの2割を占める「社会保障」の全体像を知る
制度の成り立ちから、我が国の問題点、改革の方向まで、「ミスター年金」と言われた元大物官僚が解説する格好の入門書。

■教育が果たすべき役割

 もう一つ指摘しておきたいのは、教育の問題です。別に文科省を批判するつもりもないのですが、日本の公教育では、社会保障について、それがなぜ社会にとって必要欠くべからざるものであるのか、きちんと教えていないように思います。もっと言えば、社会保障が依って立っているこの国の社会の仕組みや価値観、理念、哲学といったものをきちんと教えていないので、社会保障を理解するための共通の認識があまり形成されていない、ということがあると思います。

 一つ例をお示しします。普通に日本の中学校で使われている、公民の教科書の一部です。

「私たちが消費する大部分のモノは、食料品でも衣服でも、自分でお金を支払って購入します。しかし…

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