毎年100兆円、GDPの2割を占める「社会保障」の全体像を知る
制度の成り立ちから、我が国の問題点、改革の方向まで、「ミスター年金」と言われた元大物官僚が解説する格好の入門書。

5章【産業としての社会保障】社会保障はGDP5分の1を占める巨大市場

 前章まで、日本の社会、日本の経済が大きく変わってきていることを見てきました。この章では少し視点を変えて、マクロ経済と社会保障の接点について見ていきます。

 結論を先に言うと、社会保障は「単なる負担」ではなく、経済成長のエンジンたりうる、ということです。

(1) GDPに占める社会保障の規模

 まず、国民経済の中に占める社会保障の割合を見ておきます。

 図表51は内閣府作成の「2010年度国民経済計算」です。これを見ると、GDP479兆円、政府部門支出226兆円でうち社会保障支出104兆円です。社会保障支出の規模は対GDP比で20にもなります。また、政府一般行政サービスは74兆円ですから、社会保障以外のすべての行政サービスを合計した…

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