毎年100兆円、GDPの2割を占める「社会保障」の全体像を知る
制度の成り立ちから、我が国の問題点、改革の方向まで、「ミスター年金」と言われた元大物官僚が解説する格好の入門書。

(5) マクロ経済の異常事態

■カネのある者にカネが集まる構造

 フランスの経済学者ピケティの著書『21世紀の資本』(みすず書房、2014年)が世界的ベストセラーになりました。その中で、ピケティは、長い歴史を見れば、資本主義社会ではr(資本収益率)g(経済成長率)という式が成立している。だから、黙って放っておくと資本──生産手段──を持っている人のところにカネが集まっていく、と説明しています。

 資本を持っている人の収益はr(資本収益率)に、労働者の賃金はg(経済成長率)に見合って成長する。rgよりも大きいので、資本を持っている人のところによりカネが集まってきて、ますます富む。良い悪いの問題ではなく、資本主義というのはそういう構造になっているのだ、という…

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