「南は獲る人、北は食べる人」
エビフライ,天ぷらなど,一人平均で年に七○匹.世界一のエビ消費国・日本は,その九割を輸入に頼っており,エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある.だが,一体どこでどのように獲られているのか.インドネシアでトロール船に乗り,台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が,日本とアジアとの知られざる関係を語る.

ナマコからエビへ──オーストラリアで

 アル諸島バラタン村で、カリマンタンのコタバルで「私たちのエビ」に出会ったように、いまや注意して地球を歩いていると、いたるところで「私たちのエビ」に出会う。とりわけ熱帯アジアの海辺の人びとは、否応なく「日本のエビ輸入」に巻きこまれている。

 「エビ」を求めてアジアを歩いてみると、日本と中国、台湾、香港、韓国、フィリピン、タイ、マレーシア、ビルマ、インド、バングラデシュ、スリランカ、インドネシア……そしてオーストラリアまでが、いとも容易につながってくる。つながり方は、貿易統計にみるように二国間のつながりではない。エビをめぐって、複雑な様相がそこには展開される。インドネシアでも、「日本のエビ」を媒介…

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