「南は獲る人、北は食べる人」
エビフライ,天ぷらなど,一人平均で年に七○匹.世界一のエビ消費国・日本は,その九割を輸入に頼っており,エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある.だが,一体どこでどのように獲られているのか.インドネシアでトロール船に乗り,台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が,日本とアジアとの知られざる関係を語る.

エビの種類──私たちが食べているのは?

 エビなのにバナナとかタイガーと呼ばれる種類があることは、これまで述べた通りである。色や形で見分けるための命名である。魚屋さんやスーパーマーケットに行くと、エビはそんなに厳密に分類されて売られているわけではない。「バナナ」と書かれて売られているのを、私は一回しか見たことがない。ましてや、バナナがクルマエビ科クルマエビ亜科に属するクルマエビ属の一種で、学名が Penaeus merguiensis で、和名としてはテンジククルマエビであるなどということは、魚屋さんの店先では分かりようがない。本当は大正エビ(正式の和名はコウライエビ)でないのに、バナナのようなホワイト系のクルマエビ属が「大正エビ」…

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