「南は獲る人、北は食べる人」
エビフライ,天ぷらなど,一人平均で年に七○匹.世界一のエビ消費国・日本は,その九割を輸入に頼っており,エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある.だが,一体どこでどのように獲られているのか.インドネシアでトロール船に乗り,台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が,日本とアジアとの知られざる関係を語る.

エピローグ

「現場」情報を消費者に

 「売りっぱなし日本、買うのはエビだけ」。とどまるところを知らない日本の貿易黒字を揶揄して、ある評論家がこんなことを言っていた。

 これは、もちろん誇張した言い方だ。それにしても、たしかにエビは傑出して輸入が増えてきた商品である。とりわけ、この二、三年の円高はエビ大量輸入に拍車をかけた。

 一九八七年九月中旬に、日本貿易振興会(ジェトロ)は「エビ・フォーラム」(発展途上国農水産品貿易促進フォーラム「エビ」)なるものを開催し、それにひき続き、日本水産物輸入協会は「世界えび貿易会議」を開催した。ジェトロの開催趣旨はつぎのようなものだった。

 「エビは世界的な商品であり、地球上のあらゆる国で消費されている…

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