「南は獲る人、北は食べる人」
エビフライ,天ぷらなど,一人平均で年に七○匹.世界一のエビ消費国・日本は,その九割を輸入に頼っており,エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある.だが,一体どこでどのように獲られているのか.インドネシアでトロール船に乗り,台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が,日本とアジアとの知られざる関係を語る.

撤退するエビ開拓者ニッポン

 カルンバ周辺のアボリジニーはエビに関係していないが、カーペンタリア湾西部のグルート・アイランド(オランダ人がフローテ・エイラント、「大きな島」と呼んだ名を、英語読みしたもの)のアボリジニーはエビ輸出に巻き込まれたことがある。

 オーストラリアにしろ「新」大陸にしろ、白人が「発見した」という歴史上の噓がある。グルート・アイランドにはポルトガル人、のちにオランダ人、イギリス人が一六〜一八世紀に来ているが、それ以前にインドネシア諸島民が来ているし、おそらく中国人も来ているだろう。そもそも、アボリジニーは大昔から住んでいた。この島の命名者はアベル・ヤンスズーン・タスマンである。あの一七世紀に「タスマニ…

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