「南は獲る人、北は食べる人」
エビフライ,天ぷらなど,一人平均で年に七○匹.世界一のエビ消費国・日本は,その九割を輸入に頼っており,エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある.だが,一体どこでどのように獲られているのか.インドネシアでトロール船に乗り,台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が,日本とアジアとの知られざる関係を語る.

さまざまなエビ漁法

 漁民はエビをよく観察し、エビの生態を知っている。そこからさまざまのエビ漁法が生まれてくる。

 マングローブ汽水域には、稚エビが一定の季節に沖合から遊泳してくる。この時期に、漁民は浜に大きな三角網をもって出る。一〜二センチのゴミのように小さな稚エビを漁民は獲る。そして養殖池に売るのである。

 魚が流木や流れ藻などに寄る習性を利用して、人工的に木・竹・葉・柴などを海中に設置して、そこに寄ってきた魚を獲る方法を「つけ漁業」(漬漁法)という。エビもこの漁業、つまり柴を漬けて、寄ってきたエビを獲るふしづけつけしば)という方法が、昔の日本では用いられていた。椰子の葉をロープにつけて海底まで垂らし、イワシ類などを漁獲…

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