「南は獲る人、北は食べる人」
エビフライ,天ぷらなど,一人平均で年に七○匹.世界一のエビ消費国・日本は,その九割を輸入に頼っており,エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある.だが,一体どこでどのように獲られているのか.インドネシアでトロール船に乗り,台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が,日本とアジアとの知られざる関係を語る.

稚エビ漁民からエビ成金まで

 南スラウェシ州五万四〇〇〇ヘクタールの養殖池は、ほとんどがマカッサル海峡に面した西海岸の汽水域に広がる。日本に輸出される三〇〇〇トンほどの養殖エビや海で獲れたエビは、すべて州都ウジュン・パンダンの五社の冷凍工場に運ばれる。遠くはボネ湾のパロポやルウ地方から四〇〇キロ近く、トラックに揺られて運ばれてくるエビもある。年に三〇〇〇トンを超えるエビ、トラックで一トンずつ運んでも三〇〇〇台ものエビのクルマが、スラウェシの道を走る。実際は、一トンも積まずに走ることが多い。だからもっと頻繁にエビ・トラックが海岸の村々を通り抜けているはずである。

 エビの通る道には〝関所〟がある。貨物運送税の徴収所である。氷…

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