政治は大衆の欲望に基づくべきではない
民主主義のアップデートは可能か。「空気」を可視化し、合意形成の基礎に据えられないか――刊行時、活発な議論を招いた重要書。

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第一一章

 来るべき国家においては、議会は政治の中心にはならない。正確には、それはまだ中心ではあるのだが、もはや中心のひとつ、いわば楕円の二つの焦点の片方のような存在でしかない。

 ネットを活かした政治というと、多くのひとがまず、電子国民投票やソーシャルメディアによる自治体運営のような直接民主主義的な提案を想像する。しかし、筆者は直接民主主義の導入を提案しているわけではない。そもそも本書の出発点は、現代社会はあまりに複雑で、その理解が有権者の認知限界を超えているために政治が麻痺している、という問題意識にあった。それゆえ、直接民主主義の導入は解決にならない。すべての法案や政策の是非を国民投票で問うようになっ…

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