政治は大衆の欲望に基づくべきではない
民主主義のアップデートは可能か。「空気」を可視化し、合意形成の基礎に据えられないか――刊行時、活発な議論を招いた重要書。

第一二章

 未来の国家では、政治家には、大衆の欲望に盲目的に従うのでもなければ、無視するのでもなく、大衆の欲望にじかに向かいあい、その力を受け止めたうえで、社会の暴走を食い止める調整の役割が期待されることになる。間接民主主義と無意識民主主義がそこで接する。

 それはポピュリズムでも選良主義でもない。その違いをテレビの出演者のすがたで喩えてみよう(注1。ポピュリズムにおける政治家、それはいわばワイドショーのコメンテイターのようなものである。彼らは視聴者を背中に背負っている(図121。視聴者の欲望を代弁してまさにその視聴者に話しかけ、支持率=視聴率を稼ぐ。そこではいっけん視聴者が力をもっているかに見える…

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