「次世代のジョブズ」と呼ばれた若き女性CEOが起こした、世紀の詐欺事件の真相
血液をほんの一滴小さな針で採取するだけであとは自動で健康状態を分析できる。そんな夢のような装置の開発を謳って、支援者や投資家から巨額の資金を集めた医療ベンチャー「セラノス」の若き女性CEOエリザベス・ホームズ。だが彼女の語った夢の技術はすべてが幻想だった。「企業秘密」の名のもとに技術的な質問をかわしつつ同社の時価総額は一時90億ドルまで膨れ上がったが、装置は永遠に「製造段階」のまま公開されずついに彼女は詐欺罪で有罪評決を受ける。一時は「次のジョブズ」とまで呼ばれたそのキャリアとはいかなるものだったのか?

シリコンバレーに咲いた徒花、エリザベス・ホームズの数奇な人生

仮想、空想が渦巻くシリコンバレーには、「成功するまでは成功したふりをしていなさい」という哲学がある。その哲学に、ついに天罰が下った。

エリザベス・ホームズ Photo/Getty Images

 サンフランシスコ - エリザベス・ホームズの刑事裁判が終わりに近づいたころ、弁護団は彼女が書いた非常に自制的な自己改善計画を証拠として提出した。

 「朝4時起床、神に感謝の祈り」。手書きの計画書はこう始まる。そして、運動、瞑想、祈り、朝食(ホエイとバナナ)と続く(彼女は「バナナ」を bannannaと綴っていた)。645分。まだ世の中の寝坊助たち…

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