暴力団専門ライターとして、関東や関西でパイプを作りあげ、編集者だった時代には分からなかった暴力団の実態が、はっきりみえてきた。暴力団社会のトリビア的知識の蓄積は、いつしか私の目的ではなくなった。食うためにはじめた仕事ではある。それを15年近くも継続できたのは、ひとえに暴力団に惹かれているからだ。
俗に言う裏社会とか、闇の世界というものは、つまり社会の実相である。暴力団を調べることは、日本という国の真実を知ることを意味する。最近でも選挙に落選した某政治家が、選挙資金を持ち逃げされたと暴力団に泣きつき、その回収を依頼していた。暴力団はそ…
この作品では本文テキストのコピー機能を制限しています