交通監視カメラで人種差別?――白人の何倍も違反キップを切られる黒人たち
2020年に警察官が黒人男性ジョージ・フロイドを死に至らしめた事件以降、人間による交通管理に代わる「人種的に中立」な方策として注目を集めてきた、交通監視カメラ。だがシカゴでは、黒人と白人の居住地域を比べると、前者の方がカメラによる摘発数がはるかに多いことが明らかになった。道路の実際の危険性とは無関係に違反キップを乱発し、低所得層のドライバーを追い込む一方で、罰金や追徴金が市の大きな財源になっているという現実。プロパブリカの分析によって浮かび上がった、構造的レイシズムにもとづく「交通上の暴力」の実体とは?

アメリカの交通監視カメラ、黒人を狙い撃ちか

シカゴの交通監視カメラは黒人とヒスパニックの自動車利用者に対して不釣り合いなほど多くの違反キップを切っていることがプロパブリカによる分析でわかった。だが市当局は監視カメラによる取り締まりを継続する方針で、他の都市でも導入しようとする動きがある。

Laila Milevski/ProPublica

 20年近く前、シカゴでリチャード・M・デイリー市長(当時)が信号無視監視カメラを導入した際、彼はこれによって市内の危険な運転を減らしていけるとして、次のように語っていた。「これは何と言っても安全のためです。歩行者の安全、他のドライバーや同乗者の安全、みんなの安全…

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